「1分でわかる大相撲」公式ブログ

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【大相撲】時間ごとの取組スケジュールを紹介

相撲が見たいけれど、何時に行ったらいいかわからない…大切な推し力士の取組を見逃したくない…。
時間ごとのだいたいの目安がわかれば、はじめて相撲を観に行く方も安心なのかな、と個人的に思います。

今回は、大相撲の時間ごとの細かな取組を解説します。

ただし、千秋楽は時間が異なります。千秋楽は改めて記事として紹介する予定です。

12:00 三段目70枚目から60枚目くらい

12時は三段目の取組中です。だいたい70枚目から60枚目の取組が行われます。

この時間は国技館地下の大広間が込み合いだす時間帯です。
客席がちらほら埋まりだします。

13:00 三段目の取組が終わるくらい

三段目の取組が終わるくらいか、幕下の取組が始まる時間です。

14:00 幕下上位取組中

幕下上位の取組が行われています。
十両土俵入りがもうすぐなので、この時間には来場している客も多くなってきます。

14:15 十両土俵入り

十両土俵入りの時間帯で、奇数日と偶数日でどちら側の力士が土俵入りするか異なります。奇数日は東側から、偶数日は西側です。

15:00 十両(中ほどの番付)と取組中

十両の中ほどの番付の取組時間です。

15:40 幕内・横綱土俵入り・顔触れ言上

幕内・横綱土俵入りの時間で、こちらも十両と同じで日によって東西どちらから入場するか異なります。

顔触れ言上は、時間の都合で省略される場合もあります。

16:00 中入り・大入袋販売開始・幕が下がる

中入りの時間(休憩時間)で、トイレがとても混雑するのでご注意ください。
比較的2階のトイレは空いているかと思います。
満員御礼の場合は、大入り袋が販売され、満員御礼の幕が下がります。

 

空席が目立つのに満員御礼になる理由は、こちらの記事で紹介しているので、ご興味あれば…。
満員御礼なのに空席があるのはなぜ?完売してからチケットが買える仕組みとは 

17:00 前頭の取組中

前頭の取組中(だいたい11枚目から7枚目くらい)で、まだ三役の取組は始まっていません。

18:00 弓取式・櫓太鼓

弓取式がおこなわれます。千秋楽以外は櫓太鼓があります。

注意点

取組は基本的に下位の番付から開始されます。
(序の口、序二段、三段目、幕下、十両、幕内)
制限時間は、番付によって異なるのでご注意ください。
(幕内4分、十両3分、幕下以下2分)特に十両は人数が少ないので、あっという間に終わるように感じます。

番付が近い力士と対戦することが多いですが、星を重ねることで星の数が近い力士同士が対戦するようになってきます。
前頭13枚目と前頭筆頭が対戦する可能性もあるので、あくまで目安としてお考えください。

まとめ

大相撲の時間ごとのスケジュールを解説しました。

  • 12:00 三段目70~60枚目くらい
  • 13:00 三段目が終わるくらい
  • 14:00 幕下上位取組中
  • 14:15 十両土俵入り
  • 15:00 十両(番付は中ほど)取組中
  • 15:40 幕内・横綱土俵入り・顔触れ言上(ない場合もあり)
  • 16:00 中入り(トイレが込む)
  • 17:00  前頭11~8枚目くらい

土俵祭の流れをざっくりと解説

本場所の前日には土俵祭が開催されます。参列する際は、ある程度流れを把握していると、理解も深まります。

今回は、土俵祭の大まかな流れを解説します。

土俵祭の流れ

まず流れを紹介します。

  • 祝詞奏上
  • 清祓い
  • 立行司による祝詞奏上
  • 四隅に幣串を立てて献酒
  • 方屋開口
  • 鎮め物
  • 徳俵に献酒
  • 太鼓祝い

これだけではわかりにくいですよね…。私は勉強中の身で、あまりくわしくは自分でも理解していませんが、わかることを可能な限り解説いたします。

祝詞奏上

まず、幕内格の脇行司(祭主ではない)が土俵に上がり、祝詞をとなえます。「のりとそうじょう」と読みます。

清祓い

幕内格の脇行司が葉っぱ(榊)を持って、土俵上の祭壇や参列者を祓い清めます。この祭壇には、幣串(へいぐし)が立てられているのが特徴。祭壇の正面に3本、左右(東西)に2本ずつ立てられています。

 

【幣串とは…】

神をかたどったもの。天神七代(神話に登場する天地開闢の神)。地神五代(天照大神天忍穂耳尊瓊瓊杵尊 ・ 火折尊 ・ 鸕鶿草葺不合尊 )をあらわしている。

立行司による祝詞奏上

ここから祭主である立行司が登場します。土俵に塩をまいて祝詞をとなえます。

献酒

脇行司が幣串を土俵の四隅に立てて、御神酒をかけます。これがお清めの儀式です。その後、祭壇を土俵からさげます。

方屋開口

「かたやかいごう」と読みます。祭主が軍配を手にして、方屋開口の故実言上(こじつごんじょう)をとなえます。

土俵の成り立ちを古い言葉で言い表したものです。

鎮め物

奉書紙の中の鎮め物を土俵に開けた穴に入れ、御神酒をかけて土を清めながら埋めます。ここが一番の見どころかと、個人的に持っています。ぜひ注目なさってください。

【鎮め物とは…】

かやの実、勝ち栗、お米、昆布、するめ、塩のこと。

徳俵に献酒

土俵には4か所、外側にズレた俵があり、これを徳俵と呼びます。ここを御神酒をかけて清めます。そして、参列者にも御神酒をふるまい、清めます。

太鼓祝い

行司による儀式が終わると、呼出の出番。呼出が太鼓を肩にかついで、土俵を3周します。太鼓は2基です。このまま、街に出て行き、相撲部屋やご贔屓筋の家に触れ太鼓を慣らすのです。

このときの呼出は羽織半纏で、股引を着用(たっつけ袴ではない)。粋な姿なので、興味があれば観に行ってみてください。かっこいいですよ。

太鼓を叩くだけではなく、初日の顔ぶれも紹介します。

 

【関連ページ】
土俵祭で行司(祭祀)が読み上げるセリフ(祝詞)を解説

大相撲『土俵祭』とは|開催日や観覧するときの注意点を解説

まとめ

土俵祭の流れを解説しました。
(あまり興味がないかと思いますが…)

流れは次のとおり。

  • 祝詞奏上
  • 清祓い
  • 立行司による祝詞奏上
  • 四隅に幣串を立てて献酒
  • 方屋開口
  • 鎮め物
  • 徳俵に献酒
  • 太鼓祝い

参列される際は、ある程度流れがわかっていると、理解が深まるかと思います。

 

相撲観戦ベテランさんへのお願い

相撲ファン同士が交流する機会もあります。交流の場ではなくても、同じ空間になることも。人によっては、不慣れな方を見て気になることもあるようです。

 

わたくしは偉そうによそさまにお願いなんて言える立場ではありませんが、

みんなが相撲を楽しめるよう、ベテランさんにお願いを書かせていただきました。

ベテランさんにばかりお願いをするわけにもいきません。別記事で、はじめてさん向けのお願いもまとめています。
お願いばかりして申し訳ありません。

ベテランさんへのお願いがあります

相撲観戦ベテランさんにお願いがあります。
誰にでも「初めて」があることを念頭に置いていただけると、ありがたいです。

  • 初めて相撲を観戦する人
  • 初めてマス席に座る人
  • 初めてお茶屋を通じて切符を買った人
  • 初めて千秋楽パーティーに参加する人
  • 初めて稽古見学をする人

など。

みなさんにも初めての日があったはずです。
初めての方って、みんな緊張しています。ベテランのみなさんもそうでしたよね。
「マナー間違っていないかな?」、「失礼があったらどうしよう?」、「これでいいのかな?」などいろいろな気持ちがあるのです。
そして、勇気を出して、初めての日にのぞんでいます。

まずはその素晴らしい勇気をたたえてあげてほしいです。

 

そして、もしも、初めての方がなにか間違っていることがあれば、できる範囲で教えてあげてください。

無理に注意をする必要はありませんが、知らないままなのももったいないかなと…。

できたら、初めての方には、温かい目で見てほしいです。
だって、初心者さんもベテランさんも行きつくところは同じ。
相撲を観に行くということですもの。みんな仲間なのです。

書籍の内容が間違っていることも!?

初めての方は、「もしも失礼があったらどうしよう」、「相撲観戦ってどんな感じなのかな?」という気持ちがあるので、相撲の書籍を事前に読んだ上で本番にのぞんでいる方もいらっしゃるかと思います。

事前勉強をするなんて、素晴らしいことですよね。

しかし、相撲の書籍っていろいろな人が書いていて、書籍の著者によって見解が違うことも多いです。

 

たとえば、書籍Aでは「本場所ではサインを求めないでください」と書いてあり、書籍Bでは「取組後ならサインはもらいやすいですよ」と書いてあることも。

このような見解の違いはあります。

また、相撲にくわしくない方が書いたであろう書籍も残念ながら存在します
たとえば、「推し力士を応援歌で応援しましょう」、「呼出が席まで案内してくれます」と記された書籍も見たことがあります…。
応援歌をうたったら、おそらく問題視されます。コールですら、ネット記事になるほどです。

座席に案内してくれるのは、相撲茶屋の出方であって、呼出ではありません。袴姿なので、間違えている著者もいるようです…。

 

初心者の方は、なにが正しいのかわからないので、本の内容は鵜呑みにしてしまうでしょう。

つまり、初心者の方で「あれ?」と思う行動をしている人の中には、本で書かれたとおりにしている可能性だってあるのです。

 

もしも間違った知識を得ていると思ったら、可能であればやさしく教えてあげてほしいです。

最初から完璧な人はいません。どうか温かい目で見守りましょう

相撲好きが増えることは喜ばしいことですから、ベテランさんも初心者さんも仲良くできるとよいですね。みんなでフォローできたらよいなと、わたくしは思います。

偉そうなことを言って申し訳ありません。
相撲はとてもシンプルな競技なので、幅広い方が楽しめたらいいなと願います。最近は、相撲部屋のYouTubeチャンネルが人気で若い方も多くなりました。そんな方たちが気持ちよく楽しめるような雰囲気づくりもしたいですよね。

相撲観戦はじめてさんにお願い - 「1分でわかる大相撲」公式ブログ

相撲観戦はじめてさんにお願い

ベテランさんにお願いをするだけでなく、はじめてさんにもお願いがあります。毎回偉そうに…すみません。

相撲観戦はじめてさんにお願い

いくつか、はじめてさんにお願いがあります。

わからないことは聞いてみましょう

はじめての観戦、緊張しているかと思います。これはどうしたらいいのかな? とわからないこともあるでしょう。

そんなときは、勇気を出して聞いてみてください

わたくしのTwitterに聞いてくだされば、わかる範囲でお答えします。
(あまりお力になれる自信はありませんが)

聞ける相手がいない場合は、相撲観戦に関する本を1冊読んでおくと安心です。

勇気を出して!初回なくして始まらない

古見学、千秋楽パーティー、餅つき大会など、気になるイベントがありますよね。
でも、「はじめてだし、失礼があったらどうしよう」、「マナーがよくわからない」と感じる方もいるでしょう。

みなさん最初はそうです。その初回を乗り越えて、2回めがあるのです。

だから、勇気を出してください。

 

不安な方は、事前に下調べをするとよいかと思います。

観戦ベテランさんや後援会に長く入っている方などに聞いてみましょう。当ブログは役に立たないかもしれませんが、相撲好きさんのブログやSNSには情報がたくさんあるので、調べてある程度知識を得ると、自信もつきますよ。

観戦マナーは最低限身に着けておく

観戦マナーは最低限身に着けておくことをおすすめします。

  • 行司軍配がかえったら静かにする(声援を送らない)
  • 通路で立ち止まって花道の力士を見ない
  • 力士を触らない
  • 可能な限り取組中に席を立たない
  • タオルや横断幕はひとり分のサイズにする

上記は、一般的なマナーとされています。

あとは、入り待ち・出待ちでサインを求めない、と考えている方もいます。

 

入り待ちや出待ちで、力士の四股名がわからず「あれ誰?」と大きな声で言ってしまうことを嫌がるファンもいます。

興奮していると声が大きくなってしまうので、力士本人に聞こえそうなボリュームで「誰?わからない!」と言う方もたしかにいます。

力士は慣れっこだと思いますが、嫌がる方もいるようなので、四股名がわからない人がいたら、ちょっと小声で「あの方、四股名なんだっけ?」とお友だちに話してください。

ちなみに、だいたいお節介さんがいます笑

「あれは〇〇関ですよ」と教えてくれる人も結構いるので、思いがけない交流も楽しめるかと思います。

 

長々書きました。根性論も多くなりすみません。
初めてで怖いことなんてありませんよ。
わたくしは子どもの頃に祖父と父に連れられて相撲観戦をしたので、はじめての日のことは覚えていません。幼かったので、失礼なふるまいもあったと思います。周囲のおとなたちがやさしく見守ってくれたのだろうなと想像します。(覚えていないけれど)

ちょっと緊張するかもしれませんが、勇気を出して観戦してみましょう。

千秋楽パーティー、稽古見学も大丈夫ですよ。

保険として「はじめてです、よろしくお願いします」と伝えておくのもよいですよ。

 

楽しんでくださいね。

みなさまの初観戦記念日が素晴らしい日になることを祈っています。

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土俵祭で行司(祭祀)が読み上げるセリフ(祝詞)を解説

本場所初日の前日には、土俵祭がひらかれます。ここでは行司が祭祀となり祝詞などを読み上げるのですが、セリフがよくわからない方も多いでしょう。

 

今回は、土俵祭で行司が読み上げる祝詞を文字として書き起こしました

土俵祭で行司(祭祀)が読むセリフ

土俵祭は行司が祭祀となり、祝詞故実言上という儀式をします。
特殊なセリフを読み上げるのですが、ここではそのセリフを文字にして紹介します。

 

掛け巻くもかしこきこの斎庭(ゆにわ)に我が相撲(すまい)の道の守り神ともちいずく

戸隠大神 鹿島大神 野見宿禰の尊(みこと)たちを、おざまつりませまつりて、

かしこみかしこみ申す

ちはやふる神代の昔より 今はさらに申さず

いや遠永に栄いくべき相撲の道は しも敏き(さとき)心に術を尽くして

猛き心に力を比べて 勝ち負けを争い

人の心を勇ましむる 我が国固有の国技(くにぶり)なれば、広庭に古き則のまにまに土俵を築き

力人(ちからびと)らの四股の響きも高らかに

恒例の1月本場所を催しおこなわんとするに先立ちて 今日のいく日の満日(たるひ)に祭りつかえ祭りて 大神(おおかみ)たちの高き尊き御霊の頼(ふゆ)によりて執り行い

成務むることわざに 御霊幸いたまいて 土俵の内外 日に異(げ)につつしみ

禍こと(まがこと)なく いや奨めに奨めにたまいて 夜の守り日の守りに

守り幸いたまえと 乞い祈奉らく(こいのみまつらく)平らけく安らけく

合いうべない聞こしめせと かしこみかしこみ申す

 

【意味】

相撲の神様を呼び、本場所が始まるので土俵の内外で怪我なく無事に終わるよに見守ってください、という意味。

方屋開口のセリフ

天地(あまつち)開け始まりてより 陰陽に分かれ

清く明らかなるもの陽にして上にあり これを勝ちと名づく

重く濁れるもの 陰にして下にあり これを負けと名づく

 

勝負(かちまけ)の道理は、天地自然のことわりにして これをなすもの人なり

清く潔きところに清浄の土を盛り

俵をもって形をなすは 五穀成就のまつりごとなり

ひとつの兆しありて形となり、形なりて前後左右を東西南北 これを方(ほう)と言う。

その中にて勝負を決する家なれば 今はじめて方屋という名づくなり

 

【意味】
勝ちとはなにか、負けとはなにかを定義。
土俵の土が汚れないものだと明らかにし、相撲が五穀豊穣の祈りが込められていることも伝える。さらに土俵とはなにかを定義している。

 

口伝えだったこともあり、若干異なる場合があります。

全体的に上記のような内容を読み上げているので、興味があれば土俵祭に参加してみてください。

 

維持員席に座るって大変なこと?維持員の縛りについて

テレビで大相撲観戦をしていて、よく映るお客さんたちは維持員です。いい席に座れて羨ましい~と思うかもしれません。でも、この席、実はいろいろできないことも多いのです。

今回は、維持員席の縛りついて解説します。

維持員席に座るって大変

大相撲をテレビ観戦していると、土俵から一番近い場所で観戦している維持員がよく映ります。

彼らは一般客ではなく、維持員です。
この維持員席に座るって実は大変なこと。

 

いろいろな行動縛りやデメリットもあるのです。

  • 推しをタオルで応援できない
  • スマホの使用ができない
  • 狭い
  • 見えにくい
  • 飲食NG
  • 弓取式まで着席
  • 取組中の離席は控える
  • 声援は送らない
  • なにかとお金がかかる
推しをタオルで応援できない

維持員はタオルを掲げることができません。向正面は特にテレビに映るので、不公平のないように配慮されているのと、席が狭いので隣の人への配慮もあります。

また、維持員は観戦しているのではなく、取組に立ち合う立場なので、基本的に応援をするというよりも、見届けるというスタンスです。

…とは言え、特定の力士を贔屓にしている維持員もいて、贔屓にしている力士の反物で洋服を作っている方やグッズを持っている方もいます。しかし、マス席などの観客のようにタオルを掲げることはできません。

スマホの使用ができない

維持員はスマホの使用ができません。力士との距離が近いので、撮影したくなるものですが、スマホに夢中になっているともしもの落下に備えられず危険です。

先述したようにテレビにも映り込みやすい席なので、スマホ撮影は控えているのだろうとも考えられます。(取組そっちのけでパシャパシャと撮影すると見栄えが悪い)

狭い

維持員席は非常に狭いです。しかも座布団も薄く、長時間座るとかなり疲れます。あぐらをかいてしまうと、隣の人に膝が当たりそうなほど。

席の下には空間があり、そこに荷物を入れることができますが、あとから見に来た人は荷物をそのまま足の近くに置いて観戦することも。より狭くなります。

見えにくい

維持員席は、場所によっては非常に見えにくいです。
維持員席には一時期座らせてもらっていましたが、場所によっては非常に見えづらく、父から「相撲の勉強をするなら、もっと下がりなさい」と言われたほど。

マス席やイス席は、見えやすいように傾斜になっていますが、維持員席は同じ高さで観戦するので見えにくいのです。しかも、お着物の方は正座をするので、その分座高が高くなり、余計に見えにくい…。

体の大きな審判員や控え力士の真後ろになることもあり、全然見えないこともあります。

「高い料金を払っているんだから、見せてよ」と文句を言う人はほぼいません。これはこの席に座る人たちが観客ではなく、維持員という立場だから。また、観戦ではなく、立ち合う立場なことも関係して、あまり文句を言う人はいません。

飲食NG

維持員は席で飲食ができません

一般販売されているたまり席も同じです。万が一、床をこぼすとよくないことや、取組を見届ける立場だということもあるのでしょう。

弓取式まで着席

維持員は途中で帰ることは原則としてできず、弓取式まで着席していなければいけません

実際にテレビを見ていても、結びの一番が終わって、維持員が立ちあがって帰ろうとする様子は映らないですよね。

途中で帰ることはよくないのと、テレビ映りへの配慮があるのかと思います。

取組中の離席は控える

維持員は取組中の離席は基本的にできません。これはどの席でも同じで、取組真っ最中に立ち上がると、後ろの方が見えなくなるので、離席は取組の合間に行います。

ちなみに、合間なら好き勝手に離席していいことにはなっていますが、実際に好き勝手に席を立つ維持員はいません。テレビに映りやすい席なので、そこはみなさん気にしています。なるべく一度着席したら離席しないように気を付けています。

 

飲食NG、取組中の離席NGは当たり前のことなのですが、このような縛りがあるので維持員が昼間から座っているということはあまりありません。

一度座るとなるべく離席しないようにするため、しんどいときもあるのです。

声援は送らない

維持員は力士へ声援は送れません
先述したように、立ち合う立場、見届ける立場だからでしょう。

しかし、維持員だって相撲好きです。むしろ大の相撲好きと言っても過言ではありません。

取組前に「〇〇の山ー!」と声援を送ることはなくても、取組中のいいところで「わ~」、「頑張れー」と声を出している方はいます。拍手をして、讃える方もたくさん。

(拍手は禁止されていません)

なにかとお金がかかる

維持員になるには、維持費を納入します。これで終わりではなく、なにかとお金がかかるのです。
私が知っている限りだと、溜会でお金を出し合って優勝力士に金一封をお渡ししています。(少なくとも祖父や父の時代)

 

あとは…どうしてもテレビによく映る向正面の維持員は、メディアの方に声をかけられてしまうこともあります。SNSなどで注目されてしまうことも…。本人が意図しないかたちで注目される可能性があることも、デメリットと言えます。

 

テレビに映ることもあり、目立つ維持員たち。維持費は非常に高いため、経済的に余裕がある人たちがほとんどですが、縛りもあります。
維持員についてはこちらでも記事を書いたので、ご興味がある方はぜひ。

維持員席とはどういう席?いつも同じ人が座っている理由を解説

まとめ

維持員席の縛りについて解説しました。

維持員席はたしかに良い席ですが、次のようなデメリットや縛りもあります。

  • 推しをタオルで応援できない
  • スマホの使用ができない
  • 狭い
  • 見えにくい
  • 飲食NG
  • 弓取式まで着席
  • 取組中の離席は控える
  • 声援は送らない
  • なにかとお金がかかる

ぜひテレビを見てみてください。タオルを掲げたり、カメラをかまえる人がいないことがわかるはずです。

稽古見学は子連れで行っていいのか解説

相撲人気が高まってきて、相撲部屋の稽古見学に行きたい! という方も増えてきているようです。稽古見学には、お相撲好きキッズも連れて行ってよいものなのでしょうか。

今回は、相撲部屋の稽古見学に子連れで行ってもいいのか解説します。

子連れでの稽古見学は部屋による

子連れで稽古見学はできるかどうかは、相撲部屋によります

相撲部屋のホームページに、「未就学児の見学はお断りしています」と書かれていることもあるので、事前に調べておくとよいでしょう。

 

ホームページになにも書かれていない場合もあります。
相撲部屋に見学の予約をする際に、子どもと一緒に行きたいこと、子どもの年齢を伝えるとよいかと思います。

古見学は私語厳禁!年齢制限は特になし

古見学に年齢制限は基本的にありません。

古見学では私語禁止です。
そのため、稽古見学ができるのは、「静かに見学できる年齢」、「私語を慎むことができる年齢」である必要があります。

これには個人差があります。

6歳でもおとなしくできる子もいれば、そうでない子も…。

相撲部屋のホームページに「〇歳以上」と書かれていて、年齢の条件を満たしていても、静かな見学が難しい子は避けたほうが無難です。

年齢よりも私語厳禁ルールを守れるかどうかで、子連れで行くかを判断してください。

子どもにはちょっと怖い稽古見

お相撲好きのお子さんはたくさんいると思います。
力士の顔と四股名が一致して、おとな以上に知識がある子もいますよね。

 

しかし、相撲部屋の朝稽古は、国技館などで見る取組とは異なります。
巡業で見る力士の顔とも全然違います…。

 

稽古は強くなるためにおこなうもので、本来はお客さまに見せるためのものではありません。
部屋の師匠(親方)が怒鳴ることだってあります。

「押せ、押せー! ほらもっとちゃんとやれよ!」と大きな声を出すことだって。

言葉が悪いように感じるかもしれません。
しかし、「押してください」と言われても、力ってあまり出ませんよね。
気が引き締まるような声掛けも必要なのです。

 

子どもだけでなく、おとなでも誰かが怒鳴っているのが苦手な方もいるでしょう。この雰囲気が苦手だと、稽古を見学していて自分までピリピリしてしまうかと思います。

 

自分のことになりますが…以前見たときに、呼吸をするのも忘れてしまったほど。
正直、咳払いですらしにくい雰囲気です。

緊張しながら見たからか、見学後に体が痛くなりました。

 

ピリピリした空気で、普段YouTubeや巡業で見るようなほんわかした雰囲気ではないことを事前に理解しておきましょう。

相撲見学は必ず予約をしてください

古見学は予約をしてください。

事前にホームページや電話で予約をして、何人で行くかも伝えておきましょう。

 

電話するときは、16時から18時がおすすめです。
昼間は、力士の昼寝の邪魔になるので避けたほうがよいです。

 

力士は朝稽古のときはご飯を食べていません。
朝ごはんを食べずに稽古をして、お昼にようやくちゃんこ(食事)にありつけます。

 

見学者にもちゃんこをふるまうことがあり、予定外に見学者が多いとちゃんこが足りないこともあるのです。

みなさんも自宅にアポなしで誰かが上がってきても嫌ですよね。
よそのお宅にお邪魔するときのような感覚で、事前に連絡を入れましょう。

 

相撲部屋だからなんでもしてもよい、わけではありません。

まとめ

古見学に子連れで行ってもいいのか、解説しました。

相撲部屋のホームページをまずチェックしましょう。基本的にどの部屋も私語厳禁なので、おとなしく見学できる子どもなら連れて行っても問題ありません。
お相撲をやっている子の勉強になるのであれば、と見学をさせてくれる部屋もあります。

ただし、稽古は厳しい言葉も飛び交うピリピリしたムードです。
このことは事前に理解しておきましょう。