テレビで大相撲観戦をしていて、よく映るお客さんたちは維持員です。いい席に座れて羨ましい~と思うかもしれません。でも、この席、実はいろいろできないことも多いのです。
今回は、維持員席の縛りついて解説します。
大相撲をテレビ観戦していると、土俵から一番近い場所で観戦している維持員がよく映ります。
彼らは一般客ではなく、維持員です。
この維持員席に座るって実は大変なこと。
いろいろな行動縛りやデメリットもあるのです。
- 推しをタオルで応援できない
- スマホの使用ができない
- 狭い
- 見えにくい
- 飲食NG
- 弓取式まで着席
- 取組中の離席は控える
- 声援は送らない
- なにかとお金がかかる
推しをタオルで応援できない
維持員はタオルを掲げることができません。向正面は特にテレビに映るので、不公平のないように配慮されているのと、席が狭いので隣の人への配慮もあります。
また、維持員は観戦しているのではなく、取組に立ち合う立場なので、基本的に応援をするというよりも、見届けるというスタンスです。
…とは言え、特定の力士を贔屓にしている維持員もいて、贔屓にしている力士の反物で洋服を作っている方やグッズを持っている方もいます。しかし、マス席などの観客のようにタオルを掲げることはできません。
スマホの使用ができない
維持員はスマホの使用ができません。力士との距離が近いので、撮影したくなるものですが、スマホに夢中になっているともしもの落下に備えられず危険です。
先述したようにテレビにも映り込みやすい席なので、スマホ撮影は控えているのだろうとも考えられます。(取組そっちのけでパシャパシャと撮影すると見栄えが悪い)
狭い
維持員席は非常に狭いです。しかも座布団も薄く、長時間座るとかなり疲れます。あぐらをかいてしまうと、隣の人に膝が当たりそうなほど。
席の下には空間があり、そこに荷物を入れることができますが、あとから見に来た人は荷物をそのまま足の近くに置いて観戦することも。より狭くなります。
見えにくい
維持員席は、場所によっては非常に見えにくいです。
維持員席には一時期座らせてもらっていましたが、場所によっては非常に見えづらく、父から「相撲の勉強をするなら、もっと下がりなさい」と言われたほど。
マス席やイス席は、見えやすいように傾斜になっていますが、維持員席は同じ高さで観戦するので見えにくいのです。しかも、お着物の方は正座をするので、その分座高が高くなり、余計に見えにくい…。
体の大きな審判員や控え力士の真後ろになることもあり、全然見えないこともあります。
「高い料金を払っているんだから、見せてよ」と文句を言う人はほぼいません。これはこの席に座る人たちが観客ではなく、維持員という立場だから。また、観戦ではなく、立ち合う立場なことも関係して、あまり文句を言う人はいません。
飲食NG
維持員は席で飲食ができません。
一般販売されているたまり席も同じです。万が一、床をこぼすとよくないことや、取組を見届ける立場だということもあるのでしょう。
弓取式まで着席
維持員は途中で帰ることは原則としてできず、弓取式まで着席していなければいけません。
実際にテレビを見ていても、結びの一番が終わって、維持員が立ちあがって帰ろうとする様子は映らないですよね。
途中で帰ることはよくないのと、テレビ映りへの配慮があるのかと思います。
取組中の離席は控える
維持員は取組中の離席は基本的にできません。これはどの席でも同じで、取組真っ最中に立ち上がると、後ろの方が見えなくなるので、離席は取組の合間に行います。
ちなみに、合間なら好き勝手に離席していいことにはなっていますが、実際に好き勝手に席を立つ維持員はいません。テレビに映りやすい席なので、そこはみなさん気にしています。なるべく一度着席したら離席しないように気を付けています。
飲食NG、取組中の離席NGは当たり前のことなのですが、このような縛りがあるので維持員が昼間から座っているということはあまりありません。
一度座るとなるべく離席しないようにするため、しんどいときもあるのです。
声援は送らない
維持員は力士へ声援は送れません。
先述したように、立ち合う立場、見届ける立場だからでしょう。
しかし、維持員だって相撲好きです。むしろ大の相撲好きと言っても過言ではありません。
取組前に「〇〇の山ー!」と声援を送ることはなくても、取組中のいいところで「わ~」、「頑張れー」と声を出している方はいます。拍手をして、讃える方もたくさん。
(拍手は禁止されていません)
なにかとお金がかかる
維持員になるには、維持費を納入します。これで終わりではなく、なにかとお金がかかるのです。
私が知っている限りだと、溜会でお金を出し合って優勝力士に金一封をお渡ししています。(少なくとも祖父や父の時代)
あとは…どうしてもテレビによく映る向正面の維持員は、メディアの方に声をかけられてしまうこともあります。SNSなどで注目されてしまうことも…。本人が意図しないかたちで注目される可能性があることも、デメリットと言えます。
テレビに映ることもあり、目立つ維持員たち。維持費は非常に高いため、経済的に余裕がある人たちがほとんどですが、縛りもあります。
維持員についてはこちらでも記事を書いたので、ご興味がある方はぜひ。
維持員席とはどういう席?いつも同じ人が座っている理由を解説
まとめ
維持員席の縛りについて解説しました。
維持員席はたしかに良い席ですが、次のようなデメリットや縛りもあります。
- 推しをタオルで応援できない
- スマホの使用ができない
- 狭い
- 見えにくい
- 飲食NG
- 弓取式まで着席
- 取組中の離席は控える
- 声援は送らない
- なにかとお金がかかる
ぜひテレビを見てみてください。タオルを掲げたり、カメラをかまえる人がいないことがわかるはずです。