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土俵祭で行司(祭祀)が読み上げるセリフ(祝詞)を解説

本場所初日の前日には、土俵祭がひらかれます。ここでは行司が祭祀となり祝詞などを読み上げるのですが、セリフがよくわからない方も多いでしょう。

 

今回は、土俵祭で行司が読み上げる祝詞を文字として書き起こしました

土俵祭で行司(祭祀)が読むセリフ

土俵祭は行司が祭祀となり、祝詞故実言上という儀式をします。
特殊なセリフを読み上げるのですが、ここではそのセリフを文字にして紹介します。

 

掛け巻くもかしこきこの斎庭(ゆにわ)に我が相撲(すまい)の道の守り神ともちいずく

戸隠大神 鹿島大神 野見宿禰の尊(みこと)たちを、おざまつりませまつりて、

かしこみかしこみ申す

ちはやふる神代の昔より 今はさらに申さず

いや遠永に栄いくべき相撲の道は しも敏き(さとき)心に術を尽くして

猛き心に力を比べて 勝ち負けを争い

人の心を勇ましむる 我が国固有の国技(くにぶり)なれば、広庭に古き則のまにまに土俵を築き

力人(ちからびと)らの四股の響きも高らかに

恒例の1月本場所を催しおこなわんとするに先立ちて 今日のいく日の満日(たるひ)に祭りつかえ祭りて 大神(おおかみ)たちの高き尊き御霊の頼(ふゆ)によりて執り行い

成務むることわざに 御霊幸いたまいて 土俵の内外 日に異(げ)につつしみ

禍こと(まがこと)なく いや奨めに奨めにたまいて 夜の守り日の守りに

守り幸いたまえと 乞い祈奉らく(こいのみまつらく)平らけく安らけく

合いうべない聞こしめせと かしこみかしこみ申す

 

【意味】

相撲の神様を呼び、本場所が始まるので土俵の内外で怪我なく無事に終わるよに見守ってください、という意味。

方屋開口のセリフ

天地(あまつち)開け始まりてより 陰陽に分かれ

清く明らかなるもの陽にして上にあり これを勝ちと名づく

重く濁れるもの 陰にして下にあり これを負けと名づく

 

勝負(かちまけ)の道理は、天地自然のことわりにして これをなすもの人なり

清く潔きところに清浄の土を盛り

俵をもって形をなすは 五穀成就のまつりごとなり

ひとつの兆しありて形となり、形なりて前後左右を東西南北 これを方(ほう)と言う。

その中にて勝負を決する家なれば 今はじめて方屋という名づくなり

 

【意味】
勝ちとはなにか、負けとはなにかを定義。
土俵の土が汚れないものだと明らかにし、相撲が五穀豊穣の祈りが込められていることも伝える。さらに土俵とはなにかを定義している。

 

口伝えだったこともあり、若干異なる場合があります。

全体的に上記のような内容を読み上げているので、興味があれば土俵祭に参加してみてください。