「1分でわかる大相撲」公式ブログ

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番付表の見方や意味・知識をまとめて紹介します

相撲部屋の後援会に入っていると番付表が送られてきます。番付表にはいろいろな意味が込められていたり、昔の名残が残っていたりします。その意味を知ると、また楽しいのです。

今回は、番付表の見方や意味を紹介します。

 

番付はいつ決まるの?

番付は千秋楽を終えて3日以内に番付編成会議が開かれ、そこで次の場所の番付(力士のランキング)を相談して決めます。この編成会議には行司も書記として参加します。

発表まではトップシークレット。発表されるまでは口外厳禁ですが、「勝ち越したから、幕内に上がれるかも…」とある程度は力士も部屋の師匠もわかっています。

番付は誰が書いているの?

番付は行司が書いています。…が、行司なら誰でも書くわけではなく、相撲字に秀でた幕内格行司が担当します。

たったひとりで書くのは非常に大変なので、書き手だけでなく、助手が2名つきます。

 

先述したように、番付は発表までトップシークレットなので、書き手となる行事の自宅で作業をします。

完成したら、書き手の行司と助手の合計3人で読み合わせをして、間違いがないかチェックをし、問題がなければ相撲協会に納品をします。

だいたい1週間から10日かけて番付を書いていきます。

ちなみに、どこから書くかは、書き手によって違うのだとか。

番付板とは

番付板とは、三角屋根の家のようになっている木製の看板のようなもののこと。ここにも番付が書かれています。

三角屋根と書きましたが、実際は「入」という形になっていて、お客さまがたくさん入るようにという願いが込められています。

板番付は、220センチ×190センチと非常に大きく、こちらは支度部屋で書きます。

こちらは幕下格の行司2名が腹ばいになって書くのです。

兄弟子が上の段、弟弟子が下の段を担当するのが一般的。ちなみに間違えたら表面を削りますが、めったに間違えないそうです。

なんで変な字で番付を書くの?

番付表の文字は、一般的な書道の文字とは違います。番付に書かれる文字は相撲字と呼びます。

歌舞伎などでも似たような文字が書かれますが、これとも違い、相撲字は根岸流というもので書かれているのです。

ちょっとマニアックな内容ですが…
根岸流というのは、三河屋の根岸治右衛門が関係していて、かつては番付表は行司ではなく根岸家が書いていたのです。その名残ということですね。

1文字のなかでも余白が少ないのが特徴で、客席がたくさん埋まるように、お客さまがたくさん来場するように、という願いが込められた文字です。

 

さて、ここからは番付表を一緒に見ていきましょう!

番付表の「蒙御免」の意味は?なぜまだあるの?

番付表蒙御免

番付表を見ると、一番目立つ文字が「蒙御免」かと思います。

こちらの読み方は「ごめんこうむる」です。

かつて相撲興行をおこなうには、寺社奉行から許可を得ていたのです。「許可が下りましたよ、相撲やっていいですよと言われましたよ」という意味で書かれています。

また、御免札(ごめんふだ)というのがあり、場所開催前に会場の前に札が立ちます。

御免札が立つと、いよいよだな、と相撲ファンは思うものです。

 

昔は寺社奉行に許可を得ていた名残でもあるのですが、実際には今でも許可を得て本場所をおこなっています。私はそこまでくわしくないのですが、たしか消防や警察に「~~で~月場所を開催します」と協会が伝えているので、今でも行政の許可を得ているはずです。

千秋楽の優勝パレードでも警察の音楽隊が出ますよね。このように、今でも行政にも許可を得た上でおこなっています。つまり、令和でも御免蒙っているのです笑

番付表は5段

番付表は5段でできていて、次のような構成です。

 

  • 1段め→横綱大関・関脇・小結・前頭(幕内)
  • 2段め→十両・幕下
  • 3段め→三段目
  • 4段め→序二段
  • 5段め→序の口、理事、委員、世話人、若者頭、年寄、呼出、床山

 

ここでお気づきになった方もいますよね。
そう、三段目は3段めに書かれているのです。これは偶然ではありません。番付表の3段めに書かれるから、「三段目」という名前になっているそうです。

他の地位の由来(大関や関脇などの由来)はまた改めて記事としてまとめさせてください。

なんで前頭なの?

番付表前頭

十両の力士の四股名を探してみてください。地位が十両」ではなく「前頭」になっています。その隣の、幕下の地位にも「同」と書かれているので、幕下も「前頭」ということです。

これっておかしいと思いませんか? 地位が間違っていますよね?

実は、前頭は「前相撲の頭」という意味があるのです。

前相撲とは、番付に載らない力士たちのこと。この番付表に四股名が載っている力士はみな前相撲よりも上なので、ここでは「前頭」としています。

三段目、序二段、序の口にも「同」(簡略化されていますが「同」という字です)と書かれているので、チェックしてみてくださいね。

番付表には改名歴も載る

番付表には改名歴も載ります。

新しい四股名になり、「これ誰!?」とならないためにです。

赤矢印部分をご覧ください。

改名歴

「高橋改」とありますね。これは「高橋」から「白熊」という四股名になったということ。(かわいい四股名ですね。子ども人気が上がりそうです)

ぜひ改名した力士がいたら、この欄もチェックしてみてください。

なぜ東西に分かれているの?

番付表は東西に分かれていて、向かって右が東、左が西です。
同じ地位でも東のほうが半枚上で、その理由は太陽が東から登るから。
かつては、出身地で東西に分かれて相撲をしていたのです。
お正月のお笑い番組に近いイメージで、東日本と西日本でわかれて相撲を取っていました。

その名残だと考えられます。

相撲協会の住所は「横綱」ではない

番付表の真ん中の下には「日本相撲協会」と書かれていて、そのとなりに小さく住所が記載されています。

こちらよーーくご覧ください。

相撲協会住所

墨田区横網(よこあみ)と書いてあって「横綱」(よこづな)ではないのです。
これにはいろいろわけがあるのですが、番付とは関係のない話になるので、割愛します。Twitterなどでご質問いただければ、喜んでお答えしますので、気になる方はお声がけください。

ちなみに…手紙などは間違えやすく「横綱」と書かれてしまうことは珍しくないので、普通に配達されます笑。間違えて送っていた方、大丈夫ですよ。

なぞの文字の意味は…?

番付表

番付表左下をご覧ください。

「千穐万歳大々叶」(せんしゅうばんざいだいだいかのう)と書かれていて、これは「千秋楽までお客さまがたくさん入るようにという願いがいつも叶いますように」という意味です。

 

さて、そのとなりにも小さな文字が…。
これはなかなか読むのが難しいのですが、

「此外中前相撲東西ニ御座候」(このほかちゅうまえずもうとうざいにござそうろう)とかかれています。これは、「番付表には載っていない前相撲の力士が東西にいるので、応援をお願いします」という意味です。

番付表はお付き合いにもなる

番付表は、完成したら4分の1サイズに印刷します。なんと55万部ほど印刷するのです!

これを部屋や協会関係者に送り、部屋は力士を応援してくれる後援会の会員に送ります。

「うちの力士たちの番付表をおおさめください。また応援してやってください」と心を込めて送ります。

相撲部屋はお付き合いも大切。
しかし、後援者ひとりひとりと深いお付き合いって難しいので、こうして番付を送ることでも後援者とつながっていくのです。

 

 

このように番付表は昔の名残もたくさんあります。

見方や意味がわかるともっと楽しめます。ぜひお手元に番付表がある方は、いろいろくわしく読んでみてくださいね。

まとめ

番付表の見方や意味を紹介しました。

書いているのは幕内格の字が上手な行司で、相撲字で書かれています。

発表まではトップシークレットなので、行司が自宅で書くのです。板番付は幕下格の行司が支度部屋で作業をします。

中央の蒙御免は「ごめんこうむる」で許可を得ましたよ、という意味。
番付表では、十両以下もみな「前頭」で、幕下にも「同」と書かれています。

力水とは|渡す人の決まりや肩肌脱ぎについて解説

大相撲をテレビ観戦しているとあまり見ることはないですが、現地観戦すると力士が力士になにかを渡しているシーンがあります。これは、力水です。

今回は、力士が口にする『力水』について解説します。

力水とは

力水とは、取組前に力士に渡される水のこと。原則として十両以上の取組、つまり関取の取組で力水をつけます。
呼出が桶に入った水を柄杓ですくい、力水をつける役目の力士に渡します。力水は、身を清めるためと言われています。

なぜ身を清めるのかは、もうご存じでしょう。土俵が神聖な場だから。神さまが宿るとされているので、土俵に立つ力士は身も心も清めて取組にのぞむのです。

ごっくんと飲んでいる?

この力水、力士は飲んでいるのでしょうか。
正解は、NO。飲んでいません

つまり、かたちだけ。飲まずに、力水を口に含んだあと、ペッと吐き出します。このことから「力水を飲む」ではなく、「力水をつける」という表現をするのかもしれませんね。

さて、どこに吐き出すのでしょうか。
土俵は神聖な場とは記載しましたが、さすがに土俵に吐き出すことはできません。

力水をつけると、白い力紙化粧紙とも呼ぶ)を渡されます。これで口元を隠しながら、タライに吐き出します。言い方は悪いですが、綺麗な行為ではないので紙で隠しているのだと思われます。

この力紙で口を拭いて、タライに捨てます。顔の汗を軽く押さえることも。

このシーンをテレビで見ることはあまりないと思います。チラッと映ることはあっても、吐き出すシーンはまず映さないでしょう。

力水を渡す人のルール

力水は、原則として直前の取組で白星を取った力士が渡します。
勝った力士は、すぐに花道を歩かず、次の取組の力士に柄杓に入った力水を渡すのです。「今やっと終わったのに」と言わんばかりに、ハアハアと息を切らしていることもあるほど。

しかし、直前で勝った力士が片屋にいないこともあります。この場合は、控え力士です。

ここでポイントになるのが、「負けた力士ではない」ことです。

次の取組の力士は、まだ勝負をしていないので、力水を渡すのにふさわしいのです。
負けた力士から力水を渡されるのは、あまり縁起がよいことではない、ということなのでしょう。

前の取組で勝った力士がいない、さらに控え力士がいないこともあります。この場合は力士の付け人が力水を渡します。

ただし、その日の取組で勝っている付け人か、取組がなかった付け人が渡すのです。このように、土がついていないことが重要です。

 

付け人が間に合わない場合は、呼出が力水を渡します。

付け人は肩肌脱ぎをする

本来は、

  • 直前の取組で勝った力士
  • 控えの力士

が力水をつけます。

結びの一番で、どちらもいない場合は、力士の付け人です。
付け人は、このとき浴衣を肩肌脱ぎの状態で渡します。(遠山の金さんみたいな感じです)

なぜ片肌脱ぎをするの?

付け人が力水を渡す際は、なぜ片肌脱ぎをするのでしょうか。

これはおそらく、本来まわし姿の力士(土がついていない)が渡すものだから本来の姿に近い状態にするため、片肌脱ぎをしているのだと思われます。

 

付け人が間に合わない場合は、呼出ですが、呼出は肩肌脱ぎはしません。
理由は、呼出は力士のように裸が本来の姿ではないから。

付け人はギリギリまでモヤモヤ?

付け人は、浴衣を肩肌脱ぎするわけですが、このときインナーを着ているのは無粋なので、あらかじめ「肩肌脱ぎがあるつもり」で浴衣を着ています。

しかし、あまりにも早く肩肌脱ぎをして花道でスタンバイしているわけにもいきません

本来直前の勝った力士が力水を渡すのですから、付け人がスタンバイしていると、直前の力士によっては、「オレが負けるのを見越して、付け人が待っているのかな」と思わせてしまいます。

直前の力士が負ける前提でする準備は、縁起よくありませんよね。

そのため、付け人はタイミングが難しいときもあるようです。

実際に付け人が間に合わず、呼出が力水を渡すこともあるため、片肌脱ぎを見る機会はそう多くはありません。

珍しい片肌脱ぎなので、「あれなんだろう?」とお客さんから見られることもあり、ちょっと恥ずかしい人もいるのだとか笑。

まわし姿よりも、片肌脱ぎのほうが緊張するという人もいたほど笑
(まわしのほうが露出多いのに…面白いですね)

力水の中身

力水は、ただの水ではありません。もち吉が製造している「力水」というものがあり、それを無償で提供されています。

ちなみに、もち吉の力水は一般の人も購入可能です。

まとめ

力水について解説しました。

力水は力士に渡される水のことで、これは口に含むだけで飲まずに吐き出します。吐き出すときは口に力紙を添えて。力紙で口まわりの水をふき取ります。

力水を渡すのは、直前の取組で勝利した力士。
勝利力士がいない場合は、控え力士。結びの一番などで控え力士がいない場合は、力士の付け人(片肌脱ぎ)です。

付け人が間に合わない場合は、力水を渡すのは呼出が担当します。

相撲茶屋とはどんなところ?縄張り・収益・協会とのつながり・闇など徹底解説

国技館で相撲を観る際に、一般とは違う入り口に案内される人がいます。茶屋通りと呼ばれる左右に相撲茶屋が並んだ華やかな通りがあり、出方さんと呼ばれる男性が席まで案内してくれるのです。

相撲茶屋ってよくわからない、という方も多いでしょう。

今回は、相撲茶屋について解説してみます。

相撲茶屋とは

相撲茶屋の正式名称は「相撲案内所」。しかし、この名前はあまり流通せず、「相撲茶屋」、「お茶屋さん」と呼ばれることが多いです。

相撲茶屋は国技館に20軒あります。最初の入り口で切符を見せたあと、左側に進むとお茶屋さん用の入り口があり、左右10軒ずつ並んでいるのが東京場所の相撲茶屋です。

東京場所以外にも相撲茶屋はあります。

九州場所には、相撲茶屋はないことになっていますが、実質相撲茶屋として機能しているお茶屋が1軒あります。

相撲茶屋の業務とは?なにをしているの?

相撲茶屋の主な業務は次のとおり。

  • 協会から委託された切符を売る
  • 切符の仲介
  • 客の接待
協会から委託された切符を売る

相撲茶屋の業務1つめは、切符を売ることです。

これはみなさんもうご存じでしょう。国技館サービスのホームページからも切符の購入が可能です。
そのほか、相撲茶屋に電話をすることでも切符は買えます。

相撲茶屋は相撲協会からの委託を受けて販売していて、切符を売っただけでは利益になりません。チケットの売り上げは相撲協会に入ります。

切符の仲介

相撲茶屋の業務2つめは、切符の仲介です。

相撲茶屋は、企業や好角家など贔屓筋があり、そのコネを利用して「東京場所の切符を買いませんか」と仲介することも。

客の接待

相撲茶屋の業務3つめは、客の接待です。

自分たちの持ち分の切符を購入した顧客が来たら、座席まで案内をします。この案内をするのは、出方と呼ばれるたっつけ袴姿の男性です。(見た目は呼出にそっくり)

席への案内だけでなく、客からの御用聞きをする、お土産を用意するなど接待をします。

【御用聞きについて】
相撲観戦中に焼き鳥が食べたい! ということもあるでしょう。このとき、売店に行くために離席をして、大切な取組を見逃すわけにはいきません。相撲茶屋の出方に頼めば、席まで持ってきてもらえます。

【お土産】
東京場所は、切符代とは別でお土産セットを購入すると、弁当、焼き物などがついてきます。セットの場合は、中身は選べません。

相撲茶屋の収益とは

相撲茶屋はチケット販売だけでは、まったく儲かりません。
以前もこのブログで記載しましたが、委託で販売している立場なのです。
100万円分チケットが売れたとしても、その100万円は相撲協会に入ります。

では、どうやって収益を出すのかと言うと、出物です。

お土産セット、単品商品(飲み物、食べ物、タオルなどがあります)を買ってもらうことで収益を出しています

地方場所だと、切符にお土産をつける代わりに、切符代を上乗せして販売する席もあります。なるべくお土産を買ってもらえるように、相撲茶屋も工夫しているというわけです。

このお土産の売上が相撲茶屋の収益になっています。
東京場所の相撲茶屋なら、15日間×年3回。
この日数の売上だけで収益を出しています。

たった45日間だけの仕事で収益を得るなんて…すごいですよね。(海の家みたい?)

一般的にはこんな短期間だけで生活はできません。副業など別の仕事をしているわけでもなく、相撲茶屋としては、場所でも売上だけでやりくりしています。

そのため、感染症の影響で観客数を減らしていた時期はかなり痛手でした…。

相撲茶屋はどんな席を扱っているの?

相撲茶屋は主にマス席を扱っています。国技館なら2階のイス席の一部の切符も売ります。

マス席の8割ほどは相撲茶屋の管轄です。プレイガイドなどで購入しても、指定の相撲茶屋に行きます。

 

切符の裏面に相撲茶屋の番号や屋号が書かれていたら、相撲茶屋の入り口を案内されることになります。

なんで相撲茶屋は存在するの?

さて、そもそもなぜ相撲茶屋は存在するのでしょうか。

こちらは桟敷方と呼ばれる組織が今のようになったとされています。歴史のことを書くと、キリがないので今回は割愛しますが、相撲に限らず、芝居でも茶屋があり、お茶や食べ物を提供しているのです。茶屋は古くからの名残だと思ってください。

 

この相撲茶屋、相撲協会にとってはありがたーい存在です。
なぜなら、自分たちの切符を売ってくれるから。
相撲茶屋は客や企業とのコネがあり、「いつも買ってくれる人」が存在します。相撲茶屋が押し売りしているわけではなく、いわゆる相撲好きな個人が相撲茶屋に電話をして、毎回買ってくれる、仕事の接待として切符をよく買う企業とのつながりがあるとうこと。

切符を売ることに特化しているので、協会は委託をしているのです。

相撲茶屋の闇!?

相撲茶屋については、批判的な意見を持つ方もいます。
ネットには闇があるとの声も…。相撲茶屋の闇とはなにか、まとめます。
(私は批判的な立場でも、強く応援する立場でもありません)

  • 優先される客がいる
  • 骨折りを渡す文化がある
  • 力士の一族が経営している
  • 維持員の仲介をしている
  • 相撲人気が高い時期は切符が買えない

優先される客がいる

15日間通しで買う客には、優先的に販売しています。オフィシャルに切符を販売する時期よりも前に、電話での注文を受け付けていて、この時点で15日間通しで買う人、いつもお弁当を買うご贔屓筋などに先に販売しているのです。

1月場所のチケットなら、前年の11月上旬にはすでに席を押さえている人が多いです。
これは一般販売や大相撲ファンクラブの先行抽選よりも早いかと思います。

骨折りを渡す文化がある

骨折り(心づけ・チップ)を渡す文化もあります。これは賛否があり、今では渡していない方が多いようです。(旧Twitterでアンケートをしてみたところ、あまり渡していないことがわかりました)

個人的には渡しても・渡さなくても、どちらでもよいと思います。義務ではないので。

【国技館のマス席】相撲茶屋の出方さんの案内を断る方法やチップを渡すべきか解説 - 「1分でわかる大相撲」公式ブログ (hatenablog.com)

力士の一族が経営している

相撲茶屋は力士の一族が経営していることがほとんどです。

力士の妻や娘などが女将として働いています。茶屋通りで女将を見ることはあまりなく、接待してくれるのは男性の出方です。(呼出とそっくりな服装をしている男性)

一族といっても、力士の家族なら誰でもいいわけではありません。協会でも有力者の親族が経営していることがほとんどです。

維持員の仲介をしている

相撲茶屋は、維持員の仲介をしていることもあります。

土俵からすぐ近くの席に座っているのは、一般客ではなく維持員と呼ばれる人たち。高い料金を支払って維持員になり、協会に貢献している存在です。定員制のため、誰でも維持員になれるわけではなく、空きが出たら申し込みをして、維持員会で承認されたら維持員になれる仕組みですが、相撲茶屋が仲介することもあります。

社会的地位が高い人、経済的に余裕がある人とのつながりがあるのでしょう。

相撲人気が高い時期は切符が買えない

相撲人気が高い時期は、相撲茶屋から普段買っている人(通しで買うようなご贔屓筋)に切符が売られてしまうため、一般の方が買いにくくなる傾向があります。

 

闇といってもこのくらいかなと。
あとは、本場所15日間の売上のみで生計を立てていることですね。感染症の影響で協会も相撲茶屋も大きな打撃を受けましたが、それでもしのぎはしていないようなので、これは若干闇と言ってもよいでしょう。

 

まとめ

相撲茶屋について解説しました。
正式名称は相撲案内所で、主に次にような業務をしています。

  • 協会から委託された切符を売る
  • 切符の仲介
  • 客の接待

マス席のおよそ8割が相撲茶屋管轄で、相撲茶屋間で縄張りがあります。

闇のように感じられる特徴は次の5つ。

  • 優先される客がいる
  • 骨折りを渡す文化がある
  • 力士の一族が経営している
  • 維持員の仲介をしている
  • 相撲人気が高い時期は切符が買えない

【思い出】子ども時代に海外出身の力士から感謝された忘れられない思い出

海外出身の力士はどうやって日本語を覚えているのでしょうか。特に語学スクールに通わずに、自然に習得している海外出身の力士は多いです。

今回は、子ども時代に交流があった海外出身力士との思い出を記します。

このブログではわたくし個人のことは記すつもりはありませんでしたが、海外出身力士の語学習得の役に立てばとの思いから、まとめてみました。

実家に海外出身の力士が来たときのこと

わたくしの祖父は、不動産屋さんをやっていて、いくつかのアパートには海外からの留学生の方が住んでいました。
それがきっかけなのかはわかりませんが、海外の方が日本で寂しい思いをしないように、少しでも相談に乗りたい、困っていたら助けたいと思ったようです。祖母も同じ想いで、よく海外の方を実家に招いていました。

祖父はとある相撲部屋を応援していて、その相撲部屋に所属する海外出身の力士(いわゆる外国人力士。ここでは「外国人力士」と表記します)を実家に呼んだことがあります。

わたくしの実家は祖父母と同居だったので、幼少期はよく遊んでもらいました。

幼かったのと、「力士=日本人」というイメージが強かったため、家に来ていた外国人力士が、海外出身だということをわたくしは全然気が付かなかったのです。

それだけ日本語が上手だったということでもあります。

今でも覚えていることがあります。

それはたまたまわたくしが「押し入れ」という言葉を使ったときのこと。

「押し入れってなに?」と聞かれました。

幼いわたくしは、「おとななのに、押し入れを知らないの?」とびっくり。(外国人力士だと知らなかったので…)

「お布団とかを入れる場所ですよ」とお伝えして、子どものわたくしの説明も熱心に聞いてくださいました。祖父母が実際に押し入れを開けて、くわしく説明したのを今でも覚えています。

相撲部屋と日本の一般家庭は異なるので、祖父母としては日本の普通の家庭も知ってほしい、という気持ちだったのかもしれません。

数年後に感謝されたこと

その数年後、外国人力士と再び会ったときに、とても感謝されました。

(ちなみにこのときは、わたくしもその力士が海外出身だと知った状態)

「たくさんおしゃべりをしてくれてありがとう。日本語の勉強になったよ」と言っていただけ、とても嬉しかったです。

くわしくお話を聞いたら、日本語の敬語を身につけるには、わたくしや祖父母を始め、一般の人との会話が大切だった、とのこと。

部屋の師匠や兄弟子は敬語では話してくれないからです。

 

兄弟子から「ほら、早くしろ!」と言われて、その言葉をそっくりそのまま先輩や後援者に「早くしろ!」と言ってしまったら、ダメですものね。
師匠や兄弟子が使っている日本語をそのまま使うわけにはいかないのです。

 

特に入門してすぐは、敬語を話しかけてもらう機会は非常に少なく、敬語を聞いて覚えたくてもなかなかできません。

(女将さんがよい先生になってくれることはあります)

当時小学生の子どもだったわたくしに、感謝してくださったことがとても嬉しかったです。

海外出身の力士に声をかけてみよう

力士に声掛けすることには、場面によってはおすすめしません。
個人的には本場所の入り待ち・出待ちでの声掛けは、避けたほうがよいと考えています。(あくまで個人の考えです)

地域のイベント、千秋楽パーティ、忘年会など、お声がけできそうなときは、ぜひ話しかけてみてください。

師匠や兄弟子とは違った敬語で話しかけてもらうことで、よい日本語の勉強になるのです。

最後まで自分の話になってしまいました…。お付き合いいただいた方、どうもありがとうございます。

稽古見学をする方に知ってほしいこと4選

相撲部屋の後援会に入ると、稽古見学させてもらえます。(部屋によっては後援会の会員でなくても見学できる)事前に知っていることが多いと、稽古見学もより楽しめます。

今回は、古見学をする前に知っておいてほしいことをまとめました。

 

朝稽古の内容、ぶつかり稽古の足の出し方などはこちらをご参照ください。

【稽古見学をする方へ】朝稽古の内容を解説

古見学する方に知ってほしいこと

古見学をする方に知っておいてほしいことを紹介します。

  • 見取稽古というものがある
  • ぶつかり稽古は受ける方も大変
  • ぶつかり稽古は攻守の稽古になる
  • 力士も見学者も私語厳禁
見取稽古というものがある

古見学で知っておいてほしいこと1つめは、見取稽古というものがあることです。

稽古で勝負俵の内側で取組をするのは力士2人で、それ以外の力士は外側にいます。このとき四股やテッポウをやらずに、ただボーっと立っているように見えることがありますが、休憩ではありません

これは見取稽古と言って、他の力士の取組を見ることで、よい点や悪い点を探して自分に活かそうとしているのです。
これも稽古のひとつ。「あの力士は、ただ見ているだけで自分はなにもしていない」なんて思わないでくださいね。

(もしかすると本当にサボっている人もいるかもしれませんが笑)

ぶつかり稽古は受ける方も大変

古見学で知っておいてほしいこと2つめは、ぶつかり稽古は受ける側も大変なことです。

ぶつかる側が大変そうなのは、見ていて伝わってくるかと思います。受ける側だって痛いのです。意地悪でやっている稽古ではなく、ぶつかり稽古は伝統的な稽古のひとつです。

ぶつかり稽古は攻守の稽古になる

古見学で知っておいてほしいこと3つめは、ぶつかり稽古は攻守の稽古になることです。

ぶつかる側は攻めの型の稽古になります。また転がしてもらうことで、受け身の稽古にもなるのです。受ける側も、攻撃を受ける稽古となり、両者にとっての練習になるのです。

ぶつかる側が番付下位で、受ける側が上位となる傾向が多いですが、これは絶対ではありません。まれに番付上位が下位にぶつかっていくことも。

攻守の稽古なので、あえて受け手が土俵際で粘って、相手に押させることもあります。これも意地悪ではなく、強くなるための稽古です。

力士も見学者も私語厳禁

古見学で知っておいてほしいこと4つめは、力士も見学者も私語厳禁なことです。

古見学に行けばわかるかと思いますが、独特な重い空気で包まれています。土俵は神聖な場。これは部屋の稽古場でも同じです。

そして師匠は絶対な存在なので、師匠がいる稽古場で力士同士が勝手におしゃべりをすることはありません。

私語厳禁なのは、見学者も同じです。コソコソ話も声が響くので、気を付けましょう。

 

朝稽古の内容については、こちらの記事で書いています。
ぶつかり稽古で受け手はどちらの足を前に出すかなど、やや細かなことも書きました。
【稽古見学をする方へ】朝稽古の内容を解説

まとめ

古見学に行く際に知っておいてほしいことをまとめました。

  • 見取稽古というものがある
  • ぶつかり稽古は受ける方も大変
  • ぶつかり稽古は攻守の稽古になる
  • 力士も見学者も私語厳禁

見取稽古はご存じない方も少なくないでしょう。サボっているわけではありませんよ~。

【大相撲】応援グッズのタオルはどこで買える?値段や種類を解説

相撲観戦のお供と言うと、応援タオルをイメージする方も多いでしょう。テレビ観戦していてもお客さんが推し力士のタオルを掲げている姿を見ますよね。

このタオルはどこで買えるのでしょうか。

今回は、大相撲応援グッズのタオルについて解説します。

大相撲応援グッズのタオルは複数種類ある

大相撲応援グッズのタオルは、大きくわけると2種類です。

売店のタオル

国技館売店でタオルが売られています。

国技館売店のタオル

上の画像が売店のタオル。特徴は四股名のみです。
相撲字で四股名が大きく書かれていて、文字の色は選べません。

客席でこのタオルを持っている人が一番多いように感じます。

相撲協会で販売しているタオル

相撲協会売店『すも~る』(親方売店)でもタオルが売られています。

すも~るのタオル

すも~るで売られているタオルも複数種類ありますが、主に売られているのが上の画像のような似顔絵入りの応援タオル。こちらは客席で2番目に多いタオルと言えます。(あくまで私の体感です)

フルカラータオル

力士の姿が印刷されたタオルも売られていますが、こちらはあまり見かけません。

大相撲応援グッズのタオルの値段

大相撲応援グッズのタオルの値段を紹介します。

売店のタオルタオル(四股名のみ・似顔絵なし)、750円(税込み)。
すも~るの応援タオル(似顔絵あり)、1,500円(税込み)。
すも~るの応援タオル(画像印刷あり)、2,200円(税込み)。

大相撲応援グッズのタオルはどこで買える?

大相撲応援グッズのタオルは、現地の売店で買うことができます。
観戦日より前に欲しい方は通販がおすすめです。

国技館にある売店のタオル(四股名のみ)の通販リンク。

相撲銘品館

すも~るで売られているタオルの通販リンク。

お相撲さんのショッピングモール SuMALL

どちらのタオルがいいのか

国技館で観戦していると、売店タオル(四股名のみ)、似顔絵入りタオル(すも~るの四股名+似顔絵)をよく見かけます。
先述したように、力士の姿が印刷されているすも~るのタオルを掲げている人は、あまり見たことがありません。

おすすめは売店タオルと、似顔絵入りタオルです。

目立つのは売店タオルと言えます。こちらのほうが遠くからも見えるので、力士に少しでも見てもらいたい方は、売店タオルがよいでしょう。

売店でタオルを買うときの注意点

タオルは売り切れになることもあります。
応援タオルは基本的に幕内のみ販売されていますが、幕内でも入幕したばかりだとタオルが作られていない可能性もあるため、欲しくても買えないことも。

幕内全員分のタオルがあるわけではないので注意しましょう。

幕内から十両になった力士のタオルが売られていることもあります。
幕内ですら売られていないのに、なぜ十両の力士のタオルがあるの? と思う方もいるでしょう。
これは、幕内だったときにタオルを製造していて、それがまだ残っているから販売されているためです。

なお、弓取式後に売店に行っても閉まっています。
売店で買い物をしたい方はお早目に。

まとめ

大相撲の応援タオルについて解説しました。

主に2種類で国技館売店のタオル(750円)とすも~るのタオル(1,500円)が人気。目立つのは国技館のタオルです。
力士の姿が印刷されたすも~るのタオル(2,200円)はあまり見かけません。

国技館売店やすも~るで購入が可能ですが、幕内全員分のタオルがあるわけではいのでご注意ください。
売店は弓取式後には閉まっているので、お求めの方はお早目にお買い物をしてくださいね。

イベント情報『すみだと大相撲』

 

気軽に参加できる相撲のイベントの紹介です。

1月6日(土)墨田区と私

・内容
墨田区出身の東白龍関が墨田区の魅力や相撲への想いについて、師匠の玉ノ井親方(元大関 栃東)とともにトーク

・日時

2024年1月6日 14:00~15:30
・講師
玉ノ井親方・東白龍

・参加費200円

ユートリヤ すみだ生涯学習センター (yutoriya.jp)

1月7日(日)大相撲を支える呼出と床山に密着

・内容

大相撲を陰で支える呼出と床山から、大相撲の舞台裏や相撲部屋の生活などのトーク

・日時

2024年1月7日(日)14:00~15:30

・講師

利樹之丞、床作、大栄翔

・参加費200円

ユートリヤ すみだ生涯学習センター (yutoriya.jp)

2月3日(土)墨田区と大相撲

・内容

初代国技館から現在の両国国技館に至る変遷、1500年以上続く相撲の歴史など、墨田区と大相撲の関係について

・日時

2024年2月3日(土)14:00~15:30

・講師

木村銀治郎

・参加費200円

ユートリヤ すみだ生涯学習センター (yutoriya.jp)

 

2月9日(金)いまさら聞けない「ちゃんこ」って何?

・内容

ちゃんこ試食体験講座。ちゃんことはなにか、ちゃんこの秘密や文化・歴史を試食しながら学ぶ

・日時
2024年2月9日(金)12:00~15:00

・講師

十文字友和

・参加費

3,000円

・場所
ちゃんこ霧島両国本店

ユートリヤ すみだ生涯学習センター (yutoriya.jp)

イベント参加の注意点

会場は「ユートリヤすみだ生涯学習センター」で、参加費200円。2月9日のちゃんこのイベントのみ、会場がちゃんこ霧島両国本店で参加費3,000円なので気を付けてください。

定員オーバーの場合は抽選で、墨田区民が優先されます。

ユートリヤすみだ生涯学習センターのアクセス

曳舟駅から徒歩7分ほど。

すみだ生涯学習センター

ぜひみなさんご参加くださいね。