テレビで相撲中継を見ると、よく目につくお客さんたち。「あれ、この人昨日も見たな」と思うことがあるでしょう。なぜ土俵の真ん前の良席の切符を買えるのでしょうか。
今回はテレビによく映っている席の人たち、維持員席について解説します。
テレビによく映る維持員席とは
相撲のテレビ中継を見ていると、よく映る人たちがいます。土俵下のまわりを囲んでいる席は維持員席と呼ばれ、この席の切符は一般には流通しません。
維持員席はどんな人たちが座れるのか
維持員席に座るには、そもそも維持員になる必要があります。
維持費を払いますが、その金額は相当なもので、相撲協会への寄付金となります。
金額変更されることもあるため、くわしい金額は相撲協会のホームページから確認してください。
維持員制度について - 日本相撲協会公式サイト (sumo.or.jp)
では、維持費さえ払えば誰でも維持員になれるのかというと、そういうわけでもありません。
維持員になるには、維持会の承認が必要です。
(承認されなかったという方は私は今のところ聞いたことがないです)
そして、維持員は定員があります。
東京場所の場合は、維持員席は300席。多くの人が維持員になれば、相撲協会の懐が潤いますが、席に限りがあるので維持員に誰でもなれるというわけでもないのです。
維持員席は15日間通しで座れる
原則として維持員になれば15日間通しで座席を割りあててもらえます。そのため、いつも同じ人が座っているのです。
しかし、先述したように維持員席には限りがあるため、15日分の席がもらえないこともあります。
維持員席にも上下関係がある!?
維持員席に座る方たちは、さっぱりとしている印象で15日間通しで座っていると、顔見知りにもなるので、「おはよう」、「今日は早いね」など声をかけてくれることがあります。
維持員同士は特に目立った上下関係はない(みんなさっぱりしている)ものの、お茶屋さん側が維持員たちをランク付けしている可能性はあると言えます。(こんなことを書いたら叱られてしまうかも…)
維持員になった年数によってある程度はランクがつけられているようで、新規で維持員になった方は、15日分の切符がもらえない可能性は十分あります。
お茶屋さんとしても、お土産を買ってくれる維持員、相撲のルール(維持員席のルール)を熟知したベテラン維持員に座ってもらうほうが安心なのかもしれません。
維持員席の人が日によって違う理由とは
テレビを見ていると、日によって維持員席の顔ぶれが変わっています。
その理由として考えられるのは次の2つ。
- 団体会員だから
- 横流しの切符を得たから
団体として維持員に登録されると、その団体のメンバーが交代で座ることはあります。そのため、「昨日と今日で維持員席に座っている人が違う」という事象があるのです。
残念なことに、維持員席の切符が横流しされることもあり、なにかしらの手段で横流しされた切符を手に入れた人が維持員席に座っている可能性もあり得ます。
(維持員席の横流しなど闇については、後日改めてブログとして記す予定です。これも叱られるかな…)
部屋の後援会=維持員ではない
まれに相撲部屋の後援会に入れば、維持員席に座れるの? と質問を受けることがありますが、残念ながら部屋の後援会に入っても維持員席には座れません。
部屋の後援会は、相撲部屋をサポートするものであり、維持員は相撲協会・相撲界全体をサポートするもので、後援会と維持会は母体がまったく違います。
維持員席に座りたい場合は、維持員になるしかないです。
まとめ
維持員席について解説しました。
維持員席に座っているのは維持会に承認された維持員たちで、この席の切符は一般流通しません。
維持員は15日間通しで席が割りあててもらえますが、会員年数が浅いともらえない可能性も。
日によって顔ぶれが異なるのは、団体維持員となっていて交代で席に座っている可能性と横流しの切符を得ている可能性が考えられます。