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新序出世披露とは…口上や白扇、開催日を解説

中日に観戦した方は、特別な儀式を見たかと思います。それは新序出世披露。相撲部でお世話になった監督や力士の保護者も見に来る、晴れの場です。

今回は、新序出世披露について解説します。

新序出世披露とは

新序出世披露(しんじょしゅっせひろう)とは、前相撲を終えた力士たちがこれから序の口に上がるお披露目の儀式です。中日(なかび)、つまり8日めに開催されます。

出世披露では化粧まわしを付けますが、入門したばかりの若い力士ちなので、個人ではまだ化粧まわしをまだ持っていません。
そのため、兄弟子や師匠から化粧まわしを借りて、出世披露にのぞみます。

 

ちなみに…稽古でのまわしや、場所で使用するまわし・締込は、素肌に直接つけます。化粧まわしは非常に高価なものなので、汚さないよう下に肌着(褌)をつけてから着用するのが特徴です。直接肌に触れないので、貸し借りもしやすそうですね。

新序出世披露の向上

おそらくネット検索すれば出てきます。あえて書く必要はないかな…と思いましたが、知りたい方のために。

 

これに控えおります 力士儀にござります。

ただ今までは 番付外に取らせおきましたるところ 当場所日々成績優秀につき 

本日より番付面に差し加えおきまする間 以後相変わらず ご贔屓お引き立てのほど ひとえに願い上げ たてまつります

 

この意味は、「ここにいる力士たちに番付外で相撲を取らせたら、とてもよい成績でした。これからは番付に掲載されるので、応援のほどよろしくお願いいたします」

という意味です。

呼出はなんと言っている?

また行司の隣には呼出がいます。呼出は「とざい、とぉざい」と言っているのですが、ちょっと聞き取りにくいですよね。これは「東西、東西」という意味。

番付外の力士が東西にいたことを意味していて、これは番付表にも書かれていますね。

 

番付表の「此外中前相撲東西ニ御座候」(このほかちゅうまえずもうとうざいにござそうろう)は「番付外の力士が東西にいますよ」という意味です。

なぜ東西なのか…は長くなるので今回は割愛させてください。

白扇を持つ行司は珍しい

新序出世披露では、行司が白扇を持ちながら向上を述べます。通常、行司は軍配を持つため、これは珍しいシーンです。

普段使わないので、白扇を持っていない行司も多く、このときのために呼出から借りることもあるのだとか。(呼出は呼び上げで白扇を使用します。これは土俵や力士を汚さないため)

 

口上での白扇は開きません。閉じたままなことも特徴です。すみません、相撲史など勉強をしておりますが、扇を閉じている理由については正確には、わたくしはわかっていません。おそらく、これから番付に載る立場だということが関係しているのではないでしょうか。番付に載って、取組をする場合は呼出が白扇を広げて呼び上げるため。

成績優秀とは

さて、向上には「成績優秀」とありました。これは昔の名残と言えます。
かつては、前相撲で一定の成績を残さないと序の口には上がれませんでした。序の口に上がれないまま廃業する力士もいたそうです。

しかし、現在は前相撲に出れば序の口に上がれるようになりました。そのため、表現は悪いですが、たとえ「成績優秀でなくても」序の口には上がれます。現在も、昔の口上を残しているのだと思われます。

新序出世披露のあとはあいさつまわり

晴れて新序出世披露が終われば、力士人生のスタート。相撲協会の部署をまわって「~~部屋の~~です」とあいさつをして、顔を覚えてもらいます。

ここから力士…! と言いたいところですが、厳密には「力士養成員」という立場で、厳しいですが、十両以上にならないと力士ではないのです。

わたくし個人的な意見を書くと長くなりますが、どんな番付の人でも努力をしていることは、ご理解ください。(みなさま、十分ご理解されていると思います)

 

まとめ

新序出世披露について解説しました。

出世披露は、前相撲を終えて序の口に上がる力士たちのお披露目の儀式。中日に開催され、化粧まわしをつけます。行司は白扇を持って口上を述べ、呼出が「東西、東西」と声を出します。