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大相撲の決まり手はどこで誰が判断しているか解説

行司の軍配が上がると、場内アナウンスで「ただいまの決まり手は~」という案内があります。これは誰がどうやって判断しているのでしょうか。

今回は、相撲の決まり手は誰が判断しているのか解説します。

大相撲の決まり手は何種類あるの?

大相撲の決まり手は、現在82種類あります。
よく「四十八手」と聞きますが、平成13年1月場所より技がたくさん追加されました。
その理由は、力士の技の向上や体型の変化です。

技の向上と書くと、まるで昔の力士の技量が低いと言っているかのようですが、そうではありません。

まず、テレビやビデオが発達して、技を研究できる環境が増えたことが大きく影響していると考えられます。いわゆる技師とされる力士の取組をスロー再生しながら、部屋で研究するのです。

また、かつては他の部屋の力士と交流をする機会は少なかったことも関係しているでしょう。
師匠から「情が移るから、他の部屋の力士とは関わるな」と言われることもあったのほど。

現在は、部屋の垣根を超えて仲良く交流する力士が多く、稽古をすることで互いに技を磨くことができる環境になりました。(昔も出稽古はもちろんありました)

さらにトレーニングメソッドの向上、他競技を取り入れたトレーニングも力士のスキルアップにつながってきていると言ってよいでしょう。

 

平成13年1月場所よりも前は48種類でしたが、これは決まり手として名前がつけられているものの種類であって、実際には当時からもっと種類がありました。

なお、相撲は神話の時代から続いていますが、当時から技は多く200はあったのではないか、と考えられています。

決まり手はどこで判断するのか

「ただいまの決まり手は~~」というアナウンスは、行司がおこなっています。
では、決まり手は誰が判断しているのか、気になるところですよね。

決まり手は、ビデオ室にいる決まり手係(親方)と放送席にいる行司が相談して決めます。

 

放送席には電話があり、アナウンス室とつながっていて、ここで相談しながら決めるのですが、明らかにわかりやすい技であれば、行司がその場で判断してアナウンスします。

ちなみに土俵上にいる行司は、東西どちらの力士が勝ったかを判断できればよいため、足元のみを見ていて、決まり手までは意識していないことが多いです。(行司により差があり)

しかし放送席の行司は、決まり手まで見届けています。

放送席とは

放送席は、会場にいる一般のお客さんでも見ることができ、別室にあるわけではありません。ぜひ興味があれば放送席を探してみてください。

 

放送席には、音響室につながった電話もあります。

ビデオ室は先述したように、決まり手係と相談するときに使用。音響室との電話は、マイクトラブルがあったときにスムーズに対応するためです。

また、放送席には手元に装置があります。

 

この装置には「引き落とし」・「突き落とし」という2つのボタンがあるのです。
ビデオ室の決まり手係との電話で「あれは『引き落とし』だな」と言っていても、会場のガヤガヤした環境や、機械を通した声では「突き落とし」と聞こえてしまうこともあり得ます。おそらく過去に何度か聞き間違えがあったのでしょう。

聞き間違えやすく、なおかつ珍しい決まり手ではないため、聞き間違えないようにボタンが手元にあるのです。

力士は決まり手を意識している?

人にもよりますが、ほとんどの力士は「今日は小手投げをやろう!」とは思っていません。立ち合いでどう当たるかまでは考えていても、決まり手まで考えている力士はまずいないと思います。

もしかすると、宇良ならある程度「この技やってみたいな」はあるかもしれませんが、基本的に土俵では勝つことで精いっぱいで、決まり手までは考えていません。

まとめ

決まり手について解説しました。

決まり手は現在82種類。

決まり手は、ビデオ室にいる決まり手係の親方と放送席にいる行司で決めますが、明確な場合は放送席の行司が判断してアナウンスすることも。

放送席にある電話は、音響室にもつながっていて、マイクトラブルがあっても対応できるようにしています。

放送席は別室にあるわけではなく、会場にあります。興味がある方は放送席を探してみてくださいね。