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土俵は死にに行く場所だった?死を覚悟していたかつての力士たち【相撲史】

相撲は防具がないため、強い衝撃を受けるスポーツです。さらに体重別でもないため、ときに自分の倍の大きさの力士と対戦することも…。危険と隣り合わせのスポーツです。

今回は、土俵と死の関係について解説します。

 

 

力水は昔は盃だった

相撲に力水があることはご存じでしょう。これから取組をする力士に、土がついていない力士が柄杓を渡して口に水をつける儀式です。

かつては、盃で水を口につけていました

盃で水を口にするのは、今生の別れのとき、もう生きて戻れないときだとされています。

戦地に行く際に、盃で水を口にしたとされています。

水盃(みずさかずき)と呼びます。

 

昔の力士は、水盃をしていたので、土俵に上がる際は死を覚悟していたのかもしれません。実際に、立ち合いでは頭と頭がぶつかるので、脳震盪を起こすこともあります。打ちどころが悪ければ命を落としてしまうことも…。

 

それだけの覚悟で相撲を取っていたのでしょう。

力紙で卒塔婆を作った

さて、力紙についても解説します。
力紙は化粧紙とも呼ばれます。

力水を付けたときに、この紙で口をぬぐったり、水を吐き出すときに紙で隠したりします。

昔の力士は、力紙で卒塔婆を作っていたそうです。

卒塔婆とはお墓にある供養の板のこと。

水盃や卒塔婆と、土俵と「死」は密接にかかわっているようです。

遺書を毎回書いた力士も…

相撲は無差別級です。
100キロの力士が200キロの力士と対戦することもあるため、

力士によっては遺書を残していることもあります。

引退してからとある元力士に聞いた話ですが、大きな力士と対戦するときは、前日に嘔吐していた、とのこと。

それだけ命がけで相撲を取っていことがわかりますね。

まとめ

今の力水は、昔は水盃でした。これは今生の別れのときにかわすもの。
力紙は、今では口をぬぐうときに使いますが、昔はそれで卒塔婆を折っていたとされています。

遺書を残す力士もいたほどなので、相撲と死は密接にかかわっているようです。